2024 年 70 巻 2 号 p. 46-55
ツーバイフォー住宅の横架材において国産材の利用を拡大させる方法の一つとして,スギを枠組壁工法構造用製材及び枠組壁工法構造用たて継ぎ材の日本農林規格のMSR(Machine Stress-Rated)枠組材として格付けすることが考えられる。しかしながら,今後幅広材やより厚い材料を用いるにあたってはいくつかの技術的課題への対応が必要である。スギの寸法型式204,206を用いて各種ヤング係数について検討した結果,以下の結論が得られた。加力面(木表と木裏)の違いが曲げヤング係数に及ぼす影響は認められなかった。最大節の存在が曲げヤング係数に及ぼす影響は小さいと考えられた。品質管理に用いるヤング係数の測定方法として,縦振動法あるいはフラットワイズの曲げたわみ振動法が有用と考えられた。本試験体を現行のMSR枠組材の等級に基づいて区分した結果,曲げ強度ではなく曲げヤング係数が等級を決定づける要因となることがわかった。