2025 年 22 巻 p. 167-
高等教育での多くの社会学の授業・コースが目標としているものの一つに,社会学的想像力の獲得がある.しかしながら,通常の授業で社会学的想像力を身につけることは容易ではないともされ,サービスラーニング型授業実践の可能性が議論されてきている.しかし,伝統的なサービスラーニングにおいてはチャリティの視座をベースにしており,そこでの取り組みは,差別的な思い込みを助長したり,誤ったステレオタイプに陥る恐れが指摘されてもいる.社会学的想像力を涵養するサービスラーニング実践のあり方として,学生の再帰性の向上が鍵であると指摘されているが,その再帰性とはどのようなもので,具体的にどのように実践すればよいかは明らかにされていない. 本研究は,質的研究の方法論である再帰性実践をサービスラーニング型授業の指導に応用する可能性を検討する.再帰性概念およびその実践方策の考察から,サービスラーニングへの応用において重要な点を掲出し,その後,応用可能性について検討を,中学生への学習支援活動を含むサービスラーニング型授業を対象として行った.結果として,学生のポジショナリティや間主観性に焦点を当てて,授業プロセス全体で多様な方法・場面での即時的・連続的なふりかえりを行っていくことで,再帰性が向上する可能性があり,その設計に授業運営者は焦点を当てることが重要であることなどが示唆された.