福祉社会学研究
Online ISSN : 2186-6562
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ホームヘルプ労働の教育制度と相互行為場面についての考察
実践の中で「熟練者になる」ことを学習する
石田 健太郎
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2006 年 2006 巻 3 号 p. 105-127

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抄録

本稿の目的は,どのようにホームヘルパーの職務内容と熟練が,形成・制度化されているのかという点について検討することにある.本論では,まず,ホームヘルパーの職務内容と熟練が,ケアをめぐる多様な主体の間の価値と葛藤のもとで形成され,制度化されているという認識から出発した.つぎに,そうした背景の下で形づくられるホームヘルパーの職務内容と熟練について,教育訓練制度と相互行為場面の両面から,資料と筆者のおこなった聞き取り事例をもとに考察した.教育訓練制度については,カリキュラムの編成,入職後になされるOff-JTとOJT,デュアルシステムによる学習の制度化という3つの点から整理した.つづいて,相互行為場面については,ふだんの仕事とふだんとは違った仕事,タスクの重なり,社会的現象としての学習という3つの点から検討した.最後に,これらの考察をふまえて,デュアルシステムをモデルにした教育訓練の問題点と今後の課題について検討した.

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