溶接学会全国大会講演概要
平成19年度秋季全国大会
セッションID: 446
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フェムト秒レーザー照射による高配向性グラファイトからのダイヤモンド多形体の合成
*佐野 智一高橋 謙悟廣瀬 明夫坂田 修身大越 昌幸井上 成美小林 紘二郎
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抄録

1 TPa以下での炭素の安定相は、約10 GPa以下のグラファイトとそれ以上での立方晶ダイヤモンドの2種類であるが、準安定相として、グラファイト-立方晶ダイヤモンド相変態途中に出現する六方晶ダイヤモンド、衝撃回収試料中に存在するn-ダイヤモンドなどがある。本実験では、高配向性グラファイト(HOPG)にフェムト秒レーザー(波長800 nm、パルス幅120 fs、強度2x1015 W/cm2)を空気中で照射し、レーザー照射後のHOPGの結晶構造変化をXRDによって調べた。X線結晶構造解析はSPring-8のBL13XUにて斜入射X線回折法で行った。用いたX線の波長は1.000 Åである。HOPGのc軸に対して垂直にレーザー照射を行った試料のXRDパターンからは、グラファイト以外の結晶のピークは確認されなかった。一方、HOPGのc軸に平行にレーザー照射した試料のXRDパターンからは、グラファイト以外の結晶のピークが複数確認され、これは立方晶ダイヤモンド、六方晶ダイヤモンド、n-ダイヤモンドのいずれかである可能性が示された。発表では、新しく合成された結晶構造の同定結果とその合成機構を示す。

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© 2007 社団法人 溶接学会
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