抄録
2kWファイバーレーザを用いて、SUS304ステンレス鋼とA5052合金異種金属重ね継手のレーザロール溶接を行い、その接合条件と接合界面の金属間化合物の生成との関係、および継手性能について調査した。その結果、
フラックスを用いない場合は 母材破断する条件範囲は非常に狭かったが、フラックスを用いた場合は広い範囲でアルミニウム合金の軟化したHAZ部で破断した。引張せん断荷重と破断形態の間には1650N辺りを境にして、接合界面で剥離するものとA5052合金の熱影響部と母材の境界部分で破断するものと分かれた。
また、ローラの加圧力を増加させたとき、異材溶接継手の強度は高くなった。A5052合金母材の軟化のために継手効率はおよそ85%となった。