2005 年 74 巻 6 号 p. 3-14
塩素代替消毒技術の開発を目的として、オゾン処理後に二酸化塩素処理を行う併用消毒に着目 し、クリプトスポリジウム不活化と消毒副生成物の生成を検討した。クリプトスポリジウム不活化につ いては、オゾンと二酸化塩素の相乗効果を確認し、CT 3. 6mg-O₃, ·min/L程度のオゾン処理で高い相乗 効果が得られ、99%以上の不活化率を達成できることを明らかにした。また、この処理ではオゾン、ニ 酸化塩素に固有の消毒副生成物である臭素酸イオン、亜塩素酸イオンの生成を抑えることができ、トリ ハロメタン等の有機塩素化合物も生成されないことを確認できた。これより、本処理法はクリプトスポ リジウム不活化、消毒副生成物抑制の両面で優れており、新たな消毒技術として有効との結論を得た。