生物活性炭吸着(BAC)池の躯体コンクリートは他の浄水施設と比較して劣化程度およびその進行が大きいとされる。本研究では配合および供用年数が異なる2浄水場のBAC 池躯体コンクリートから採取したコアを分析し、コアの分析結果と工程水の水質分析結果から、BAC 池での劣化要因を推定した。さらに、躯体表層部の補修用吹付けモルタルの検討に際し、BAC 池を模擬した曝露実験槽を作製し、結合材種を変えたモルタル供試体を約7年間曝露した。その結果、水酸化カルシウム量の低減によるCa イオンの溶脱抑制が劣化抵抗性に寄与すると示唆された。