抄録
大分市での消毒副生成物(DBPs)高値化に影響する溶存態有機物は、大分川流域の山林や水田に起因することが示唆された。DBPs濃度の重回帰分析ではE260の強い影響が認められ、この点を検討して沪過水UV値に基づく管末給水栓トリクロロ酢酸濃度の予測モデルを高い適合度で作成できた。浄水処理での沪過水UV値低減条件を検討し、酸剤の優先使用は当市では薬品費高騰に繋がる可能性や、凝集剤の20mg/L過剰注入の奏効性が高く、更なる低減を要す際は酸剤でのpH調整や活性炭5mg/L注入の併用が費用対効果に優れることが認められた。これらの条件を実運用し、DBPsの水質基準遵守と薬品費削減への寄与が確認された。