2021 年 90 巻 3 号 p. 2-10
本市水源河川において、フィプロニル(以下FIP)とその代謝分解物であるフィプロニルスルホン(以下FIP+O)、フィプロニルスルフィド(以下FIP-O)の実態調査を行った結果、FIP だけでなくFIP+O、FIP-Oが検出された。FIP、FIP+O 及びFIP-O の塩素処理実験では、FIP 及びFIP+O は速やかに反応し、フィプロニルスルホンクロラミン[以下(FIP+O) Cl]を生成した一方、FIP-O は分解に時間を要し、(FIP+O) Cl を生成しなかった。また、FIP、FIP+O 及びFIP-O は粉末及び粒状活性炭処理で高い除去率を示したが、(FIP+O)Cl はやや除去率が低かった。これらの結果から、FIP とその分解物は、塩素処理前に活性炭処理することで効果的に除去できるものと考えられる。