日本全国でカビ臭が発生した水源を対象として、形態学的特徴と遺伝子解析の両面から原因藍藻類の存在実態調査を行った。全21水源中15水源からはジェオスミン産生株としてAphanizomenon 属、Dolichospermum 属、Phormidium 属、2-MIB 産生株として、Microcoleus 属、Phormidium 属、Planktothricoides 属、Pseudanabaena 属が確認された。そして各産生株の形態情報と遺伝子情報を整理した結果、産生株と非産生株の藍藻類同定において形態学的特徴と遺伝子解析を組み合わせることが重要であることを指摘した。また、水源試料を用いたカビ臭原因物質産生関連遺伝子の検出を行った結果、水源試料からの遺伝子検出によって早期にカビ臭原因物質産生藍藻類の存在把握ができる可能性を示唆し、水源モニタリング手法として遺伝子解析の有用性を確認できた。