水道協会雑誌
Online ISSN : 2435-8673
Print ISSN : 0371-0785
90 巻, 5 号
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「論文」
  • 江﨑 敦, 浅田 安廣, 藤本 尚志, 早坂 泰彦, 鈴木 孝俊, 山田 晃平, 秋葉 道宏
    2021 年 90 巻 5 号 p. 2-12
    発行日: 2021/05/01
    公開日: 2022/05/01
    ジャーナル フリー
    日本全国でカビ臭が発生した水源を対象として、形態学的特徴と遺伝子解析の両面から原因藍藻類の存在実態調査を行った。全21水源中15水源からはジェオスミン産生株としてAphanizomenon 属、Dolichospermum 属、Phormidium 属、2-MIB 産生株として、Microcoleus 属、Phormidium 属、Planktothricoides 属、Pseudanabaena 属が確認された。そして各産生株の形態情報と遺伝子情報を整理した結果、産生株と非産生株の藍藻類同定において形態学的特徴と遺伝子解析を組み合わせることが重要であることを指摘した。また、水源試料を用いたカビ臭原因物質産生関連遺伝子の検出を行った結果、水源試料からの遺伝子検出によって早期にカビ臭原因物質産生藍藻類の存在把握ができる可能性を示唆し、水源モニタリング手法として遺伝子解析の有用性を確認できた。
  • 人見 文隆, 籔内 宣博, 平林 達也
    2021 年 90 巻 5 号 p. 13-22
    発行日: 2021/05/01
    公開日: 2022/05/01
    ジャーナル フリー
    テフリルトリオン及びイプフェンカルバゾンについて大阪市の水源である淀川水系及び浄水処理過程における実態調査を行ったところ、本市水源にテフリルトリオン及びイプフェンカルバゾンが流入していることが確認された。また、その凝集沈澱、砂沪過、オゾン、粒状活性炭(以下、GAC)、塩素及び粉末活性炭による処理性を調査したところ、テフリルトリオンは、凝集沈澱、砂沪過処理の効果は小さいが、オゾン、塩素処理は非常に有効であり、水温、経年等の条件により少し程度は異なるが、GAC 処理も有効であった。また、イプフェンカルバゾンは、凝集沈澱、砂沪過、オゾン、塩素処理の効果は小さいが、GAC 処理は水温、空間速度によらず、非常に有効であった。さらに、テフリルトリオン及びイプフェンカルバゾンともに、粉末活性炭処理は注入率によっては一定の効果があったことから、オゾン処理と粒状活性炭処理を組み合わせるもしくは粉末活性炭処理を行うことで、効果的に除去できることが確認できた。
「事例報告」
  • 清水 伸之
    2021 年 90 巻 5 号 p. 23-28
    発行日: 2021/05/01
    公開日: 2022/05/01
    ジャーナル フリー
    鶴来浄水場では、取水口濁度が100度を超過すると課職員に出動を要請し、原水で土臭が少しでも感じられた場合は直ちに活性炭注入を運転員に指示しているが、平成27年度に起きた手取川上流域での崩落以降、濁度上昇が直ちに土臭感知につながらないケースも度々見られるようになっている。また、平成20年度頃から盛んに臭気に関してもジャーテストを行い10年以上経過し当浄水場での粉末活性炭処理について一定の知見が得られており、今まで行った濁水対応と併せて報告する。今後の課題としては、土臭等不快臭が濁度以外にどのようなファクターが関わっているのか明確にすることである。
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