粉末活性炭の短時間接触による2-メチルイソボルネオール（2-MIB）除去に対する天然有機物（NOM） 中の競合吸着成分の特性について、水道原水の分画試料や標準試料等を用いた吸着競合実験により評価した。30 分間の接触時間において腐植画分、非腐植画分のいずれにも含まれるフルボ酸様蛍光物質が、2-MIB 吸着に対し て競合影響を及ぼしていることが示された。さらに標準試料を用いた吸着競合実験により、2-MIB 吸着において フルボ酸やトリプトファンが競合吸着成分の１つであることが確認できた。また、特性が異なる３つの粉炭種に 対して腐植物質試料を用いて2-MIB 吸着競合試験を行った結果、全ての粉炭種でフルボ酸が2-MIB 吸着に対して 競合関係にあることが示された。
