2022 年 91 巻 2 号 p. 2-13
臭化物(臭化物イオン)およびその消毒副生成物の高度浄水処理による処理性を調べた。凝集沈澱処理によりトリハロメタン類およびハロ酢酸類生成能が減少したため、臭化物イオンによる消毒副生成物に対して一定の効果があることが示された。オゾンおよび粒状活性炭(GAC)処理では、ジブロモクロロメタン、ブロモホルム、総トリハロメタン、ジブロモクロロ酢酸、ジブロモ酢酸およびトリブロモ酢酸生成能が減少した。一方、臭化物イオン濃度は減少せず、臭化物イオンとオゾンとの反応で臭素酸が生成し、GAC では減少しなかった。臭化物イオンが高度浄水処理施設の水道水源に流入した際は、オゾン注入率の調整等の対策を講じる必要があると考えられた。