水道協会雑誌
Online ISSN : 2435-8673
Print ISSN : 0371-0785
91 巻, 2 号
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「報文」
  • 吉田 仁, 小泉 義彦, 高木 総吉, 安達 史恵, 中島 孝江, 長谷川 有紀, 小池 真生子, 中村 美沙希, 孝石 健, 髙田 裕志, ...
    2022 年 91 巻 2 号 p. 2-13
    発行日: 2022/02/01
    公開日: 2023/02/01
    ジャーナル フリー
    臭化物(臭化物イオン)およびその消毒副生成物の高度浄水処理による処理性を調べた。凝集沈澱処理によりトリハロメタン類およびハロ酢酸類生成能が減少したため、臭化物イオンによる消毒副生成物に対して一定の効果があることが示された。オゾンおよび粒状活性炭(GAC)処理では、ジブロモクロロメタン、ブロモホルム、総トリハロメタン、ジブロモクロロ酢酸、ジブロモ酢酸およびトリブロモ酢酸生成能が減少した。一方、臭化物イオン濃度は減少せず、臭化物イオンとオゾンとの反応で臭素酸が生成し、GAC では減少しなかった。臭化物イオンが高度浄水処理施設の水道水源に流入した際は、オゾン注入率の調整等の対策を講じる必要があると考えられた。
「技術メモ」
  • 薮口 貴啓, 庵崎 高志, 田中 聡, 笠原 一朗
    2022 年 91 巻 2 号 p. 14-19
    発行日: 2022/02/01
    公開日: 2023/02/01
    ジャーナル フリー
    水道施設設計指針では、鋼管を含む全ての管種で新管における屈曲部などを含んだ管路全体としての設計用流速係数(以下、C 値と称す)として110を、また、直線部のみのC 値として130を提示している。しかしながら、このC 値は管内面の種類ごとにその特性を考慮したものではなく、一般的な数値として位置づけられている。そこで、筆者らは、2018年度から上・工水、農水の事業現場で広く使われている水道用液状エポキシ樹脂塗装(JWWA K 135:以下、液状エポキシ樹脂塗装と称す)および水道用無溶剤形エポキシ樹脂塗装(JWWA K 157:以下、無溶剤形エポキシ樹脂塗装と称す)について水理実験および実管路における計測を行い、水道用鋼管のC 値を把握することとした。その結果、水理実験によって得られた直線部におけるエポキシ樹脂塗装鋼管のC値は概ね150以上となり、現行の設計指針の値を大きく上回る結果となった。さらに、供用中の実管路においても水理実験で得られたC 値と同等の値が得られたことから、その妥当性を確認した。本実験で得られたC 値を設計値として採用した場合、従来の設計よりも口径を小さくできることとなり、管路の新設および更新時の工事費用の縮減、さらにはCO2排出量の削減につながるものと期待される。
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