水道施設設計指針では、鋼管を含む全ての管種で新管における屈曲部などを含んだ管路全体としての設計用流速係数(以下、C 値と称す)として110を、また、直線部のみのC 値として130を提示している。しかしながら、このC 値は管内面の種類ごとにその特性を考慮したものではなく、一般的な数値として位置づけられている。そこで、筆者らは、2018年度から上・工水、農水の事業現場で広く使われている水道用液状エポキシ樹脂塗装(JWWA K 135:以下、液状エポキシ樹脂塗装と称す)および水道用無溶剤形エポキシ樹脂塗装(JWWA K 157:以下、無溶剤形エポキシ樹脂塗装と称す)について水理実験および実管路における計測を行い、水道用鋼管のC 値を把握することとした。その結果、水理実験によって得られた直線部におけるエポキシ樹脂塗装鋼管のC値は概ね150以上となり、現行の設計指針の値を大きく上回る結果となった。さらに、供用中の実管路においても水理実験で得られたC 値と同等の値が得られたことから、その妥当性を確認した。本実験で得られたC 値を設計値として採用した場合、従来の設計よりも口径を小さくできることとなり、管路の新設および更新時の工事費用の縮減、さらにはCO2排出量の削減につながるものと期待される。
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