抄録
本研究では、複数粉末活性炭(粉炭)の混合注入による2-メチルイソボルネオール(2-MIB)の除去を評価した。通常炭1種及び高機能炭2種の水道原水中での2-MIBの吸着速度を評価し、高機能炭はいずれも通常炭よりも吸着速度が優れていた。通常炭と高機能炭の混合注入による水道原水中での2-MIB除去性能の変化(初期2-MIB濃度: 100 ng/L, 接触時間: 30分)を評価した。通常炭単独注入では除去率90%の達成に注入率40 mg/Lを要したのに対し、混合注入では大幅に低い粉炭注入率(通常炭12 mg/L+高機能炭8 mg/L)で除去率90%を達成できた。これらの条件でのコスト評価の結果、高機能炭/通常炭単価比が3.8~4.5の範囲において、混合注入が費用面で優位となると試算された。