抄録
液体クロマトグラフ-質量分析法(LC-MS法)を用いた、ジェオスミン及び2-メチルイソボルネオールの分析方法を検討した。その結果、直接注入によりジェオスミンは100 ng/L、2-メチルイソボルネオールは50 ng/Lの定量が可能であった。また、固相抽出法による濃縮操作を行うことで、水質基準の1/10値である1 ng/Lのかび臭原因物質を添加した水道水において、「水道水質検査方法の妥当性評価ガイドライン」の真度、併行精度、室内精度の目標を満たした。LC-MS法は、近年、需給状況の要因により調達が困難になっているヘリウムガスを使用せず、従来のGC-MSによるジェオスミン及び2-メチルイソボルネオールの測定方法の代替手段として活用できる可能性が示された。