山階鳥類研究所研究報告
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森林原野性鳥類のラインセンサス法の研究
IV.林相と記録率
由井 正敏
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1980 年 12 巻 2 号 p. 79-84

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抄録
1.ラインセンサス法の研究の第IV報として林相条件が記録率に及ぼす影響について,従来の報告に新たな資料を加え,分析した結果を報告した。
2.森林原野性鳥類の生息環境は種ごとに分化しているため,記録率を林相間で比較できる例はもともと多くない。
3.今回得られた資料による比較では,観察者の背丈より低い林相,背丈より高く密で若い林相,成長林で複層化しているが林内は疎な林相,同林内中下層が中程度の密度の林相,同林内中下層が背丈より高く密な林相,の各々で同一鳥種の記録率は相対的にその順に,138.4,108.2,100,84.8,72.4となった。
4.こうした記録率の林相差は,主として植生の高さと密度を組み合わせた要因が,観察者による鳥の認知効力をどの程度しゃ断するかによって決ってくると考えられた。
5.ただし,ウグイス,コルリなど主として強いSongのみで記録される鳥種では林相による記録率の差は認められなかった。
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