山階鳥類学雑誌
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電気泳動法によるオナガガモ(Anas acuta)の血漿タンパク分画とアルブミン/グロブリン比
村田 浩一萩原 未央寺田 昭子得平 真子寺川 和秀杉森 文夫
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2004 年 35 巻 2 号 p. 127-133

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抄録
野生捕獲された50羽(雄25羽,雌25羽)のオナガガモ(Anas acuta)から採取した血漿をセルロースアセテート膜電気泳動法でタンパク分画し,本種の参考値としての各グロブリン分画値とA/G比を求めた。他の鳥種と同様に総タンパクの中でアルブミンの占める割合が高く(49.18±5.43%),プレアルブミンの存在も確認された(20.40±4.03%)。α1-,α2-,β-およびγ-グロブリン分画の割合は,それぞれ2.84±0.58%,4.23±0.91%,21.10±2.81%,2.25±0.95%であった。電気泳動によるタンパク分画から求められたA/G比は2.33±0.40で,BCG法による血液生化学分析法で求められた値(0.38±0.03)よりも高かった。オナガガモの健康モニタリングのためには,血漿タンパクの電気泳動とそれによるA/G比の測定が有用であると考える。
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