抄録
1962年8月に偶々CBAの大阪セミナーに出席させていただき, 予ねて聞き及んでいたCBAなるものの内容を知ることができたことは大変幸せであった。そして, それは必然的に, 平素あまり深く考えたことのないわが国の高校化学の現在ないしは近い将来のあり方を考えさせられる機会となった。そこで思いたって現行の教科書を9種類ばかり通覧して彼我比較して感じたことを簡単に述べさせていただくことにする。もとより現場の経験のない未熟非才なもののまったくの私見に過ぎず, 大方のご批判やご叱正をいただければ幸甚である。