化学教育
Online ISSN : 2432-6542
分子分光分析の基礎と応用
樋口 精一郎
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1986 年 34 巻 4 号 p. 279-283

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抄録

分子分光学は, いわば分子からの我々に対する便りである。したがって, それを読み取るのに個人個人それぞれ差異があるのは当然である。最近の物質に対して要求される化学情報は, 機能性材料の発達等に伴い, 従来とは質的にも, 量的にも異なるものが要求されるようになってきている。本総説では, 種々の分子分光法について, そこから得られる化学情報を中心としてまとめた。最近におけるこの分野の発展には目覚ましいものがあり, とてもその全部をカバーすることはできなかったが, 主に, 有機化合物の構造解析, 状態分析への応用という点からまとめてみた。読者は本総説により, 従来の方法論, 新しい方法論から, なるべく多くの分子からの便りを得んことを願うものである。

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© 1986 公益社団法人日本化学会
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