化学と生物
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C型肝炎ウイルスの生活環と発がん
宮成 悠介臼田 信光土方 誠下遠野 邦忠
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2008 年 46 巻 12 号 p. 826-831

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抄録

C型肝炎ウイルス (HCV) は,持続感染して慢性肝炎を発症する.慢性肝炎から肝硬変を発症,肝がんに至る場合が多い.病態の進展にはウイルスが持続的に感染していることが重要である.つまり,ウイルス複製そのものが何らかの形で病態進行に関与していると考えられる.ウイルス複製の分子機構を理解することは,病気の発症の原因を理解するために重要である.さらには持続感染を遮断して,HCV感染を除去することによる病気の発症予防にもウイルス複製機構の解明は重要である.ここでは,HCV複製の生活環について最近明らかにされた点を中心に概説し,最後に肝発がんとウイルス複製との関連について述べる.

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© 2008 by Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
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