化学と生物
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解説
メラトニンによる骨形成・骨代謝制御
服部 淳彦
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2008 年 46 巻 2 号 p. 115-122

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抄録

ウシの松果体より単離されたメラトニンは,近年生物界に広く存在する物質であることがわかり,また機能としては,時刻情報の伝達物質やフリーラジカルのスカベンジャーなど多彩な作用が報告されている.さらに最近では,メラトニンの骨形成・骨代謝調節に関わる新しい機能が明らかにされつつある.著者らは,メラトニンに破骨細胞の分化や機能を抑制する作用のあること,そして新規メラトニン誘導体の中に破骨細胞を抑制し,かつ骨芽細胞を活性化させるもののあることを見いだしており,骨粗鬆症の予防薬あるいは治療薬への新たな展開が期待される.

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© 2008 by Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
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