2008 年 46 巻 8 号 p. 544-549
食品タンパク質酵素分解物水溶液を調製用等電点電気泳動装置に加え通電することにより,サンプル中のペプチドがアンフォライン(両性担体)として働きペプチドの分画が生じることが見いだされた.著者らはこの現象をAutofocusingと呼ぶことを提案し,実際に 50l の水槽をナイロンメッシュに支持されたアガロース膜で仕切ることにより,大容量のサンプル処理量をもつAutofocusing装置を開発した.この装置により動物実験での評価に耐えうる量のペプチド画分を調製すること,そして消化・吸収を考慮した活性ペプチドの同定が可能となった.連続的なAutofocusing装置を用いた産業的なペプチド分画の可能性にも触れる.