化学と生物
Online ISSN : 1883-6852
Print ISSN : 0453-073X
ISSN-L : 0453-073X
解説
植物の枝分かれ抑制ホルモンの発見
梅原 三貴久山口 信次郎
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 47 巻 10 号 p. 678-683

詳細
抄録

植物の枝分かれを制御する植物ホルモンは,主にオーキシンとサイトカイニンであると考えられてきた.ところが,「枝分かれ過剰突然変異体」の解析から,ストリゴラクトンと呼ばれる一群のテルペノイド化合物が,枝分かれを制御する第3のホルモンとして新たに同定され,現在注目を浴びている.ストリゴラクトンは,これまでストライガやオロバンキなどの根寄生雑草やアーバスキュラー菌根菌と呼ばれる共生菌が宿主植物の根を認識するための根圏シグナル物質として知られていた.ここでは,ストリゴラクトンの枝分かれ抑制作用の発見に至った経緯を紹介するとともに,ストリゴラクトンの生理機能を活かした応用の可能性について考察する.

著者関連情報
© 2009 by Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
前の記事 次の記事
feedback
Top