2010 年 48 巻 11 号 p. 764-771
食品タンパク質由来の生理活性ペプチドの中には経口投与で抗不安作用,摂食調節作用,記憶学習促進作用など神経系に対する作用を示す場合があることがわかってきた.これらの中には医薬品に匹敵する活性を示すものが存在し,機能性食品や医薬品への応用が期待される.また,これらの食品由来ペプチドの作用機構の解明により新しい作用経路をいくつか見いだすことができた.ここでは,これらの多彩な生理作用と作用機構を紹介するとともに,特にプロスタグランジンD2とE2の新しい中枢作用についても述べる.