2010 年 48 巻 12 号 p. 821-826
ケラチンとコラーゲンに代表される難分解性動物タンパク質は,再利用されることなく産業廃棄物として焼却処分されている.これに目を向け,何とか微生物機能を用いた分解により焼却に代わる再利用の道を開こうと,リサイクルバイオテクノロジーの構築を唱え,新たな試みを探ってきた.泥臭くウエットな仕事ではあるが,実用化に向けて薄明かりを見いだした.その成果について生化学や分子生物学の分野の人にも興味をもっていただけるよう,またこの研究を通じてこそ明らかにできた新しく緻密な知見について紹介・解説していく.