2010 年 48 巻 9 号 p. 608-613
近年,野菜栽培地帯で問題になっている連作障害の最も大きな原因は,土壌病害の発生によるものである.しかも土壌病害に対し有効な薬剤は少なく防除が困難であることから,農業上きわめて重要な病害になっている.また,土壌病害の発生は土壌環境悪化のシグナルであり,病害の出にくいような土壌環境をつくることが「これからの土づくり」と言える.ここでは,国内産未利用資源である「転炉スラグ」により土壌環境を制御し,土壌病害の発生を防ぐ革新的な現場技術について紹介する.