抄録
過去の大気圏核実験やチェルノブイリ原子力発電所事故などにより環境中に放射性核種が放出され,すでに土壌にも存在していたが,2011年3月11日に起きた東京電力福島第一原子力発電所事故により大量の放射性核種が放出され,福島県を中心に甚大な汚染をもたらした.土壌に沈着した放射性核種は,作物を通して人体に移行するため,土壌中での動態や土壌から植物への移行の把握は被ばく線量評価上,重要な課題である.ここでは,土壌-作物系における放射性セシウムと放射性ストロンチウムの挙動を紹介するとともに,移行モデルの考え方と解析例を紹介する.