2011 年 49 巻 7 号 p. 468-473
北海道のバレイショは,その用途が生食用,加工原料用およびデンプン原料用と大きく3つに分かれており,それぞれほぼ等量利用されている.しかし,デンプン原料用はデンプンが主体となるため,それ以外の成分のほとんどは未利用残渣物として排出されている.これら未利用残渣物には有用なタンパク質や食物繊維が豊富に含まれている可能性が高く,その有効利用をはかるべく未利用残渣物のタンパク質から酵素分解により生産されたのがポテトペプチドである.ここでは,このポテトペプチドの製造方法,さらには動物実験で確認された脂質代謝改善効果や腸内環境改善効果などの生理機能について紹介する.