化学と生物
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解説
先端糖鎖プロファイリング技術による新規未分化細胞マーカーの発見とレクチン育種
平林 淳舘野 浩章
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2014 年 52 巻 1 号 p. 40-47

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抄録

先端糖鎖プロファイリング技術,レクチンマイクロアレイによってiPS細胞やES細胞などの未分化細胞を特徴づける新しい細胞表面マーカー,Hタイプ3 (Fucα1→2Galβ1→3GalNAcα-O-Ser/The) が見つかった.この糖鎖構造はシアロムチンの一種であるポドカリキシン上に発現していて,糖鎖の構造変化が未分化性と密接に関与することが示唆された.一方,この構造を特異的に認識するプローブとして,rBC2LCNという組換えレクチンが注目されている.抗体と異なり大腸菌で簡単に生産でき,小分子であるため分子改変も容易だからだ.再生医療におけるHタイプ3糖鎖の分子基盤とその活用,さらに新規未分化糖鎖プローブrBC2LCNに期待される分子育種の可能性について述べる.

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© 2014 by Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
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