化学と生物
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解説
酵母におけるマイトファジーの分子機構と生理的役割
古川 健太郎神吉 智丈
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2016 年 54 巻 4 号 p. 266-272

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抄録

オートファジーは,細胞質成分をオートファゴソームと呼ばれる脂質二重膜で非選択的に包み込み,内容物をリソソーム/液胞で分解・再利用する現象である.近年,オートファジーにはこの非選択的な取り込み以外にも特定のタンパク質やオルガネラを選択的に分解する機構があることが明らかになってきた.ミトコンドリアを選択的に分解するオートファジーはミトコンドリアオートファジー(略してマイトファジー)と称され,過剰あるいは機能低下に陥ったミトコンドリアを選択的に分解することでミトコンドリアの品質管理にかかわっていると考えられている.本稿では,主に出芽酵母Saccharomyces cerevisiaeにおけるマイトファジーの分子機構と生理的役割について解説する.

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© 2016 by Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
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