化学と生物
Online ISSN : 1883-6852
Print ISSN : 0453-073X
ISSN-L : 0453-073X
解説
食物のアレルゲンとβ-ラクトグロブリンの抗原改変
上野 宏中埜 拓
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 54 巻 5 号 p. 335-342

詳細
抄録

食物アレルギーの原因となる物質は,われわれが摂食する食品に広く含まれており,先進国を中心に食物アレルギーは増加している.食物アレルギーによる症状には生命を脅かすほど重篤な場合もあり,わが国でも社会的な問題として取り上げられる機会が増えた.したがって,医療従事者のみならず,日常的に食品に接する消費者や食品を取り扱う研究者にとっても,身近な話題として理解を深めることが望ましい.本稿では,主要な食物のアレルゲンと,食品の加工処理がアレルゲン性に及ぼす影響を中心に概説し,当研究グループにおけるβ-ラクトグロブリンの抗原改変に関する取り組みを一つの事例として紹介する.

著者関連情報
© 2016 by Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
前の記事 次の記事
feedback
Top