化学と生物
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解説
HYBID(KIAA1199)が司る新規なヒアルロン酸分解機構
ヒアルロン酸代謝研究の新展開
吉田 浩之
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2017 年 55 巻 2 号 p. 119-127

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抄録

ヒアルロン酸は,哺乳動物の細胞外マトリックスに広く存在するグリコサミノグリカンの一つであり,その最大の特徴は速い代謝回転にある.これまで組織におけるヒアルロン酸分解機構として,HYAL/CD44依存的なヒアルロン酸分解モデルが定説となっていたが,このモデルでは生体内のダイナミックなヒアルロン酸のターンオーバーを説明するには十分ではなかった.そこで,皮膚線維芽細胞のヒアルロン酸分解を担う分子の包括的な探索により,新たに見いだされたヒトHYBID(KIAA1199)依存的なヒアルロン酸分解機構に関し,その特性や調節機構も含め,生理的なヒアルロン酸代謝や病態における過剰なヒアルロン酸分解へのかかわりなど最近明らかになった知見をまとめて解説する.

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© 2017 公益社団法人 日本農芸化学会
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