化学と生物
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解説
植物ホルモン・アブシシン酸の進化と機能
植物ホルモン・アブシシン酸獲得のルーツ
小林 勇気田中 寛
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2017 年 55 巻 4 号 p. 256-262

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抄録

植物ホルモンは種子植物に広く存在し,低濃度で生理活性や情報伝達を細胞間で行う物質である.なかでもアブシシン酸は気孔の閉鎖,種子の成熟,休眠に働き,特にストレス応答に重要である.近年,種子植物におけるアブシシン酸レセプターの実体が明らかにされ,シグナル伝達における分子機構の解明がめざましく進んでいる.一方で,種子植物以外でもシアノバクテリア,藻類,コケ,シダ,菌類,動物などからも相次いでアブシシン酸が検出されている.本稿では,藻類におけるアブシシン酸の機能と進化を中心として,さまざまな生物における合成,機能,シグナル伝達について概説する.

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© 2017 公益社団法人 日本農芸化学会
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