化学と生物
Online ISSN : 1883-6852
Print ISSN : 0453-073X
ISSN-L : 0453-073X
解説
活性炭触媒を利用した脱水縮合技術の開発とそれを用いた難消化性グルカンの生産
水溶性食物繊維としての「難消化性グルカンの開発」
濱口 徳寿平井 宏和尾藤 寛之
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 56 巻 6 号 p. 432-437

詳細
抄録

グルコースなどの糖質は,加熱すると脱水縮合反応により多糖化することが古くから知られている(1).べっ甲飴や黒ビール等の食品中には,これら加熱工程で生成する多糖成分が存在する.当該反応は,酸とともに糖質を加熱して得られるポリデキストロースや難消化性デキストリンなどの水溶性食物繊維の生産に応用されている(2).筆者らは,活性炭が多糖化の触媒として機能することを新たに見いだし(図1),2014年に新規な食物繊維素材の難消化性グルカンを開発した(3).本稿では,活性炭による糖の脱水縮合反応の解析ならびにや難消化性グルカンの工業的な製法確立,食物繊維素材としての安全性評価および生理機能評価など難消化性グルカンの開発について紹介する.

著者関連情報
© 2018 公益社団法人日本農芸化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top