化学と生物
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解説
食べ方と食べる時間が血糖変動に影響を与える
夕食は2回に分けて食べると糖尿病やメタボリックシンドロームの発症予防が期待できる
今井 佐恵子梶山 静夫
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2018 年 56 巻 7 号 p. 483-489

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抄録

本稿では,何をどれだけ食べるか,すなわち栄養のバランスに留意しながら適切な栄養量を摂取する従来の食事療法に加え,さらに食事をどのように食べるのか,「食べる順番」の違いにより,食後血糖値やインスリンなどホルモンの分泌がどのように変化するかを概説する.次に,朝食の欠食や夜間の食事摂取は,体重増加につながることが知られているが,遅い時刻の夕食摂取と血糖値の関係についてはまだ明らかにされていない.食事をいつ食べるのか,食べる時間の違いが血糖値に与える影響について概説する.食後高血糖は,糖尿病患者だけでなく,軽症糖尿病や糖尿病予備軍の状態から動脈硬化を促進させる(1).高血糖は,血管内皮障害や炎症を引き起こし,動脈硬化を進展させ,脳梗塞,心筋梗塞のリスクを高める,一方,低血糖は心血管イベント,認知症を進めることが報告されている(2).さらに,血糖変動幅が大きいと動脈硬化を促進させ,がんや認知症を進めることが明らかとなってきた.したがって,心血管障害などをはじめとする合併症を抑制するためには,糖尿病患者だけでなく健常者にとっても,血糖変動を抑制する食べ方が重要になる.

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© 2018 公益社団法人日本農芸化学会
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