化学と生物
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解説
草本系原料糖化のための小規模・簡素な前処理技術の開発
国内地域活性化のための穏和なバイオマス前処理法
山岸 賢治池 正和徳安 健
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2019 年 57 巻 10 号 p. 616-622

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抄録

稲わらなどの草本系資源は,その主成分であるホロセルロースからエタノールを製造する際の国産原料として注目を集めてきた.また最近では,地球環境への負荷を低減する取り組み(いわゆる「バイオエコノミー」への移行)のため,世界各国で繊維質資源の高度変換に関する研究開発が進みつつある(1).その一方で,わが国では,農地が狭くまとまった量のバイオマスを調達しにくいという制約の下で,草本系資源を高度利用するための簡素な小規模プロセスを開発する必要がある.そこで本稿では,糖化効率化のための前処理工程に着目し,その簡素化を目指す2つの取り組み(生物学的前処理および常温アルカリ前処理)について紹介する.

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© 2019 公益社団法人日本農芸化学会
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