化学と生物
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解説
食後高血糖改善成分を含む新規食材の活用
桑葉・微生物によるDNJの生産と機能性・安全性の評価
高須 蒼生木村 俊之伊藤 隼哉仲川 清隆
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2020 年 58 巻 1 号 p. 13-19

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抄録

1-デオキシノジリマイシン(DNJ)は糖の分解を阻害することで,糖の吸収・血糖値の上昇を抑制する.食後などの血糖値の急激な上昇は糖尿病の発症や進行にかかわることから,DNJのような食後高血糖を抑制できる成分は,糖尿病の予防や治療に有効であると期待されている.天然でDNJは桑葉に特徴的に含まれ,その機能性研究が広く行われている.しかし,桑葉のDNJ含量は限られるなど,その利用には課題もある.他方,新たなDNJの供給源として,食用微生物の利用が注目されている.本稿では桑葉および食用微生物に含まれるDNJについて概説し,その機能性や安全性について紹介する.

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© 2020 公益社団法人日本農芸化学会
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