2020 年 58 巻 3 号 p. 164-171
体内動態とは,摂取した成分が吸収され体外へ排泄されるまでの体内での一連の流れのことで,体内でどのような運命をたどるのかを明らかにすることでもある.医薬品では,体内動態は必ず調べられており,添付文書やインタビューフォームなどで簡単に確認することができる.なぜ体内動態を調べるのか? それは,いつ,どのようなタイミングで,どのくらいの量の薬を服用すればよいのかを考える助けとなるからである.安全性,有効性の科学的な根拠にもなるため,体内動態を知ることは大切である.医薬品の開発研究において発展した薬物動態学を食品成分,ポリフェノールに活かし研究を進めてきたので,セサミンやケルセチン配糖体の例も交えて紹介する.