化学と生物
Online ISSN : 1883-6852
Print ISSN : 0453-073X
ISSN-L : 0453-073X
解説
草本バイオマスのエネルギー転化利用技術の開発
イナワラの高効率糖化酵素としてのイナゴ腸内酵素の探索
伊藤(山谷) 紘子長谷川 功
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 58 巻 9 号 p. 505-510

詳細
抄録

イネによる土壌浄化(ファイトレメディエーション)の実施が実用化されつつあるが,その結果生じる重金属や放射性物質などの汚染物質を含むイナワラは,産業廃棄物として焼却処分されることとなる.筆者らは,これらイナワラのバイオエタノール化を目指してイナワラの糖化研究を行っている.イナワラの糖化酵素の探索に際して,筆者らはイネの害虫であるイナゴがイネ茎葉を常食することに着目し,その腸内酵素を中心に研究を進めている.本稿では,前処理なしのイナワラの糖化にイナゴ腸内酵素が非常に有用であることや,イナワラ糖化におけるイナゴ腸内共生菌の役割なども含め,最近の研究成果を中心に概説したい.

著者関連情報
© 2020 公益社団法人日本農芸化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top