化学と生物
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解説
旧式酵素探索法・非データ駆動型ウエット実験で発見したホスホリパーゼの試験管内分子進化と社会実装
認知症,動脈硬化の早期発見
杉森 大助
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2021 年 59 巻 10 号 p. 488-494

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抄録

生物はジアシル型グリセロリン脂質以外にも多様なリン脂質を利用している.その一つに,グリセリンの水酸基にエーテル結合を介して炭化水素鎖が結合したエーテル型リン脂質がある.近年,エーテル型リン脂質と未病,疾病との関係が注目されている.一方で,エーテル型リン脂質代謝酵素の研究はまだ途上にあり,その機能はほとんど未解明のまま残されている.筆者らはエーテル型リン脂質を加水分解する酵素ホスホリパーゼの機能解明を通じて,その基質分子識別メカニズム解明とともに,エーテル型リン脂質の酵素定量法への応用を目指した研究を進めている.

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© 2021 公益社団法人日本農芸化学会
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