開智国際大学紀要
Online ISSN : 2433-4618
ISSN-L : 2433-4618
アメリカにおける教育長の離職の構造要因と職能開発
八尾坂 修
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 20 巻 p. 17-34

詳細
抄録

教育長の離職の構造要因として、「学区の特徴」、「教育委員会の特徴」、「教育長の特性」、「教育長の職務遂行能力」の 4 つのカテゴリーがある。これらのカテゴリーに存在する要因(例えばストレス、コンフリクト、プレステージ、給与、有能さ、子どものテスト成績など)が複合的に教育長自身の離職の決断、あるいは教育委員会による雇用満了の決定という、離職をもたらしている。 教育長のキャリア定着とともにリーダーシップ能力向上、社会的役割の促進、学区の改善効果をねらいとして、現職教育長、特に新任教育長の職能開発の機会が図られてきた。通常は教育長免許状の更新・上進制と連結して大学での単位取得や州・学区主催の研修会が運営されている。 ケンタッキー州が画期的な試みと評されるのは、インダクションプログラムの体系的な構造化である。しかも州独自のリーダーシップに焦点化した 7 つの有効性基準に基づき、新任教育長が自己評価を行い、自身のパフォーマンスのエビデンスを提供する点に特徴がある。

著者関連情報
© 2021 学校法人開智学園 開智国際大学
前の記事 次の記事
feedback
Top