開智国際大学紀要
Online ISSN : 2433-4618
ISSN-L : 2433-4618
外国語としての英語学習におけるトランスランゲッジング
その然るべき位置づけ
ジャーナル フリー

2023 年 22 巻 p. 39-48

詳細
抄録

ことばの使用において、2言語以上の要素が混ざり合うことは、通常では是とされない。しかし、このような言語使用は2言語あるいは多言語使用者では、通常広くおこなわれている。この言語現象は、従来、コードスイッチングとして言語学で研究されてきたが、近年、新たな問題含みの概念と共にバイリンガル教育で導入されたトランスランゲッジングという新造語が、2言語話者による、発達し変化し続ける言語行動をプラスに捉えることを可能にした。トランスランゲッジングの考え方では、バイリンガルの発話には、本人の持てるあらゆるリソースが使われる。この新しい、トランスランゲッジングという考え方は、外国語教育にも応用されうる。この考えでは、学習者のL1もL2も言語リソースとして言語発達に寄与する。外国語教育においては、学習者のL1の補助的力も加わることで、L2が発達すると考えられる。

© 2023 学校法人開智学園 開智国際大学
前の記事 次の記事
feedback
Top