開智国際大学紀要
Online ISSN : 2433-4618
ISSN-L : 2433-4618
SDGsの視点に立った生活科教育
―SDGsと学習内容の関係から―
冨田 俊幸
著者情報
ジャーナル フリー

2024 年 23 巻 p. 25-32

詳細
抄録

2015年に採択されたSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)は,2016年から2030年の達成年に向けて行政,企業,市民とすべてのステークホルダーにおいて行動が図られている。学校教育においては,SDG4 の「質の高い教育」の実施はもちろんのこと17の目標の実現に向けての取り組みが求められている。また,SDG4「質の高い教育」の4.7にESD(Education for Sustainable Development:持続可能な開発のための教育)が記載されており,SDGs並びにESDの普及推進が求められている。その中で課題となっているのが小学校低学年におけるSDGsに関わる学習である。学校ではSDGsに該当するかを授業中に明示するようなことが多くの学校で取り入れられているが,低学年児童にとってはあまり意味をもたない。また,低学年の学習がどのSDGに対応しているかも明らかにされていない状況である。 そこで本稿は,SDGsと生活科の関係を調査分析することでSDGsの視点に立った生活科教育を解明に努めた。生活科の学習の中には,SDG5,7,10,11,15,17が該当していた。低学年児童にとってSDGsの対応を覚えることは重要ではないが,指導者である教員が生活科の学習がどのSDGsに関係があるかを念頭にして授業することは重要なことである。

著者関連情報
© 2024 学校法人開智学園 開智国際大学
前の記事 次の記事
feedback
Top