抄録
初級レベルの数理・データサイエンス・AIはデータサイエンスの素養として,2025年度までに全ての大学・高専生が身につけるべき「デジタル社会の基礎知識」であると言われている。本稿では,Googleトレンドにおける「数理・データサイエンス・AI」の検索数やJ-STAGEでのデータサイエンス関連論文数の推移などデータサイエンス関連の動向や現状を踏まえつつ,標準カリキュラムとされるモデルカリキュラムや,文部科学省が認定したデータサイエンス教育プログラムをもとに,文系の大学生向けデータサイエンス教育について,可視化や共起ネットワーク分析,先行事例など多角的な視点から考察する。とくに文系学部においてデータサイエンス教育を実現する上で考慮すべき課題を念頭において考察し,今後の展開についても言及する。