抄録
原子力発電の代替エネルギーとして,再生可能エネルギーが注目されている.海洋エネルギーは,その中で大きなポテンシャルを有している.著者らは波浪エネルギーに着目し,縦スリット式直立消波工の遊水室内に水車を設置した波力発電システムを提案している.本波力発電システムを実用化させるためには,水車による獲得動力を可能な限り正確に予測し,発電コストを見積もることが必要不可欠である.既往研究において,スリットを通過する流速の理論値から水車の回転速度の関係を定式化しているが,本研究では異なるスケールで実験を行ってこの関係式の検証を行うとともに,新たな定式化を行った.これによって,実規模スケールの獲得動力を正確に予測することができるようになった.