2015 年 71 巻 2 号 p. I_1639-I_1644
石巻市中心市街地において,来街者を対象にして,津波避難場所に避難してもらう実験を行い,来街者の避難特性や,避難の口頭インストラクションや津波避難誘導サインの効果に関する検討を行った.その結果,主に次の3点が明らかになった.1)来街者向けの津波避難の目的地としては,近さ(距離)ではなく,多少距離が長くとも単純な経路で移動できる場所が望ましい.2)津波避難誘導サインは,必ずしも避難を誘導する機能になるとは限らない.3)口頭で案内する際に重要なのは,インストラクションの内容中に普段から地元の文脈で使用している名称を採用しないことである.