土木学会論文集B2(海岸工学)
Online ISSN : 1883-8944
Print ISSN : 1884-2399
ISSN-L : 1883-8944
論文
津波による船舶群の漂流・座礁に関する水理実験と数値モデルの検証
許 松鴫原 良典多田 毅林 建二郎
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 71 巻 2 号 p. I_277-I_282

詳細
抄録
 船舶群が津波により漂流・座礁する水理実験を行い,漂流現象の傾向を分析するとともに,数値モデルの精度について検証した.実験から,船舶漂流には漂流開始する位置に対し一定のパターンが存在するが,流況の複雑さや他の船体との接触などによるばらつきも見られた.剛体モデルに基づく漂流物移動の数値計算により,船舶に作用する慣性力,抗力についてモデルの違いによる影響を調べた.特定の船舶の漂流を評価する場合,抗力には流速分布を考慮したモデルが必要である一方,船舶群全体の拡散状況を評価する場合はモデルの違いによる影響は小さい.さらに座礁の再現には底面摩擦を考慮する必要があることがわかった.以上から,不確定性が大きな現象を除き,剛体モデルにより津波時における船舶群の漂流・座礁範囲の評価は可能であることが示された.
著者関連情報
© 2015 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top