土木学会論文集B2(海岸工学)
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論文
海洋レーダを用いた南海トラフでの津波波源および伝播観測の適地選定
門廻 充侍高橋 智幸
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2015 年 71 巻 2 号 p. I_343-I_348

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抄録

 2011年東北地方太平洋沖地震津波では津波警報の過小評価や被災状況把握の遅れが人的被害を拡大する要因となった.これらの問題改善には津波観測体制の充実が重要であるため,海洋レーダによる津波観測について検討した.南海トラフでのMw9.1,8.6,8.4の巨大地震に対して多数津波シナリオ設定モデルを適用して39,63,75ケースの津波波源を想定した.これらを初期条件として津波伝播計算を実施し,海洋レーダで観測される流速分布を求めた.その結果,津波波源における大すべり域と超大すべり域,閉鎖性海域や岬などでの津波が観測可能であることを明らかにした.また,津波波源を対象とした遠距離HFレーダおよび閉鎖性海域や岬などを対象とした中距離HFレーダの観測適地として7ヶ所と15ヶ所の位置を選定した.

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