土木学会論文集B2(海岸工学)
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論文
構造物に作用する波浪による飛沫の発生限界に関する検討
武田 将英安平 悠紀重松 孝昌津田 宗男羽渕 貴士網野 貴彦
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2015 年 71 巻 2 号 p. I_853-I_858

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抄録

 本研究では,海面に近接した港湾構造物への塩分供給予測に寄与するため,水理実験と数値波動水路を用いた数値解析により,不透過鉛直壁に作用する波浪による飛沫の発生限界について検討を行った.飛沫の発生形態としては,次の2種類が見られた.第1は,重複波の波頂部水塊が鉛直壁に沿って大きく上昇した後,自由落下し水面に衝突することにより少量の飛沫が発生する.第2は,より大きい波高で伝播する波が斜面上で砕波し,その砕波水塊が鉛直壁に衝突して大量の飛沫を発生する.これらの発生形態を区分可能な飛沫の発生限界として,鉛直壁前面水深と沖波波形勾配の条件に加え,鉛直壁前面での鉛直流速の最大値を考慮した式を導いた.

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© 2015 公益社団法人 土木学会
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